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主にリハビリの日々を書いてます。早く歩けるようになれますように!

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フランクルは途中色々な分かれ道に立たされる。出発するのか、留まるのか、Aのグループに属するのか、Bにするのかなど、さまざまな分岐点があって、結局自分はAに行ったけれど、Bに行った人とは二度と会えなかった……それの繰り返しだ。しかしAかBかを判断する正しい基準は誰にもわからない。

 小川洋子による『心と響きあう読書案内』、夜と霧のページから抜粋、加筆を加えたものであるが、この本は本当私の心にこれまで思い出として残るというよりも、むしろ蝕むように残っているということを思い知らされる本が沢山あって嬉しい。夜と霧もまた然りでこれは去年初めて読んだのだけど、酷く心に溜まり続けた本だった。昔からナチスとか強制収容所とかユダヤとかの本は沢山読んでいて、その中でも他とは随分違うのは、ナチスの迫害から生き残ったユダヤ人であるフランクルが、誰も責めていないし憎んでいない点で、寧ろ生き残ってしまったという後悔にも似た感情に埋め尽くされている点だ。この点1月くらいに読んだ、幸せな子とは少し違う。小川洋子は人間は恨みや憎しみによっては立ち直ることが出来ないといっている。すなわちもっともよき人々は帰ってこなかった、とあるように、自分は死者のパンを食べ、死者の着ていたコートを着て、小さな悪いことを生き延びるためにせざるを得なかった、でもそういうことをしなかった人は生きて帰ってくることができなかったと言う。つまりああ良かった、生きて帰ってこれたと手放しで喜べず、寧ろどうして生き残ってしまったのかという問いを続けなければならないという人生を生きていかねばならない。
 だけどこれはアウシュヴィッツだけで行われていることでは決してないと私は思った。私たちはみんな分かれ道を経験してきて、出発するのか、留まるのか、Aのグループに属するのか、Bのグループに属するのか、晩御飯のおかずを決めるときから、人生にとって大きな決断を決めるときであっても、常に選択ということを繰り返している。そしてある時はある道を選べば、違う道を選んだ人とは二度と会うことが出来ない。そこにはその道を選んだ価値基準が存在するけれど、価値基準は個人的な信念や経験といったものに支えていられているだけの脆い柱だ。正しいと思っていたことが、正しい道を導き出したのではないのだ。茂木健一郎は後悔こそが人間の進化だと言う。正しいと思われる道を選んだのに失敗したら、もともと正しいと思われる道を選んだ価値基準自体を訂正するべきだと言う。それくらい誰にでもわかると思う。だから次その分かれ道に出会ったとき、Aで失敗したからBという価値を選べば、成功した、それで失敗が生かされている、といえるのだろうか。そもそもAをとるかBをとるかという正しい基準自体が誰にも分からないのだ、と夜と霧を読んで私は思う。曖昧で不確か、うつろいやすく、脆弱。難病になった、仕事をしすぎた、じゃあ次は仕事自体が簡単で適当にできるものを選ぶ、それで失敗が生かされていると簡単に言えるのか。あの時その仕事を選んだけれど、違う仕事を選んでいたら、今出会った人たちとは一生出会うことができなかった。同時に、違う仕事を選んだ人たちとはもう二度と会うことがないかもしれない。またその仕事を選んだから失敗した、難病になったのがAだとしたら、違う仕事をしていたら出張中の事故で死んでいたのがBかもしれない。その仕事を選んだときには、少なからず価値基準があったはずなのに、今ではそれさえ儚く思える。だから私たちは、価値基準によってから選ぶのではなく、もっと純粋な、本能と言っては大袈裟だけど、勘だけなのかもしれない。Aのお菓子の袋とBのお菓子の袋があるのを、ただ選ぶみたいに。生き残ったから良かった、死んでしまったから可哀相なのではなく、生き残っても苦しいし、死んでしまったら何も思わなくてすんだのかもしれない。もっと単純で、もっと短絡的で、もっと本能的なのが選択するということなのかもしれない。
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